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- 各展紹介
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- 2024.4.23火
- 5.19日
復刻 開館記念展―仙厓・古唐津・中国陶磁・オリエント
昭和41年(1966)の開館記念展では、中国陶磁や青銅器、古唐津、仙厓の絵画などが展示室を飾りました。
それから58年、幾度かの改修を経ながらも展示室の基本的なつくりは変わることなく、開館当時の雰囲気を今日にとどめています。
帝劇ビルの建替を控えた最後の一年、その幕開けを告げる本展では、開館記念展の展示構成を踏まえつつ、
当時の展示室を彩り、いまも出光コレクションを象徴しつづける作品の数々をご覧いただきます。
みどころ
- 昭和41年(1966)秋に開催された開館記念展を復元!
- 出光コレクションの原点、唯一無二の仙厓の書画
- 様々な古唐津、高く評価された中国陶磁とオリエントの美術
主な出品作品
仙厓
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指月布袋画賛
日本 江戸時代
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堪忍柳画賛
日本 江戸時代
古唐津
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絵唐津丸十文茶碗
日本 桃山時代
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絵唐津柿文三耳壺(水指)
日本 桃山時代
中国陶磁
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青磁下蕪瓶
中国 南宋時代
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金襴手孔雀文仙盞瓶
中国 明・嘉靖「冨貴佳器」銘
オリエント
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色絵人物文花口瓶
イラン 12‒13 世紀
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ラスター彩人物文鳥首水注
イラン 12‒13 世紀
青銅器
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饕餮文兕觥
中国 西周時代
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饕餮文斝 対
中国 商(殷)時代後期
各章の解説
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1章 古唐津
飾り気のないその雰囲気が、「野武士のように素朴な朝鮮風のやきもの」とも称された古唐津(唐津焼)。一方で唐津焼は肥前一帯で多くの陶工が作っていたこともあり、いろいろと作風の違いがあります。初代館長の出光佐三は古唐津の魅力にひかれ、その蒐集熱に火が付き、300件を超える充実したコレクションを形成するに至りました。「一楽、二萩、三唐津」と茶陶を代表するだけでなく、「大皿の時代」を牽引した古唐津の数々をご覧ください。
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2章 仙厓
「博多の仙厓さん」の愛称で親しまれている聖福寺の住持・仙厓(1750-1837)の禅画は、ほのぼのとした素朴な味わいがあります。「厓画無法」(仙厓の絵には法則がないこと)を宣言した仙厓の作品は自由な筆致で描かれていますが、その中に禅の教えが込められており、「仙厓くらい禅を書画の上に自由に表現し得る人はない」とも称されています。開館当初の仙厓室を飾った作品を通して、禅とは何かの問いに答えてくれる仙厓の書画をお楽しみください。
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3章 中国陶磁
中国陶磁は当館のコレクションのなかでも早くに蒐集が始まりました。佐三は1910年代後半頃に大連で中国陶磁の穏やかな美に癒され、その後、北京や天津の骨董屋で中国陶磁を求めています。日本社会において茶道や華道などの伝統のなかで培われ、愛されてきた中国陶磁(唐物)に加え、近代以降に注目されるようになった唐三彩、鈞窯景徳鎮官窯の青花など、様々な時代、産地のやきものを通してその魅力をご紹介します。
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4章 オリエント
エジプトやメソポタミア文明の発祥地として知られるオリエントの地域では、ナイル河流域、チグリス・ユーフラテス河流域、さらには地中海の周りに華やかな文化を創出します。豪華な金銀器や色鮮やかなガラス器、装飾性豊かな陶磁器など見事な美術工芸品が見られ、いずれも異国情緒が感じられます。また、中近東の地域は、陸・海の道で古くから東アジアと繋がっており、交流がみられます。当館でも開館当初から、オリエントの遺宝に注目してきました。
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5章 青銅器
古代中国の宝物として、また芸術品としても評されてきた青銅器。紀元前1800年頃から中国文明を代表する青銅容器が作られます。その後も、人がなお神とともにあった商(殷)・周時代には生命感に溢れ、精妙な作品の数々が生み出されており、まさに中国古代の人々の精神表現が映し出されているといえます。歴史を実証する物的資料として、さらに中国美術の精華の源流が青銅器にあることから、佐三はこれらを蒐集し鑑賞の対象としたのです。