日本・東洋陶磁の精華

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  • 2024.7.20
  • 8.25

日本・東洋陶磁の精華―コレクションの深まり

1910年代、事業拡大のため中国東北地方へ出張を行っていた出光佐三(1885-1951)は、その地で中国陶磁と出会います。
それは佐三の心を和ませ、のちの陶磁器や工芸品の本格的な蒐集へと繋がります。
さらに、国際的にも著名な学者・小山冨士夫(1900-75)と三上次男(1907-87)の両先生の助言を受けつつ、
陶磁器コレクションを充実させました。
本展では中国陶磁をはじめ、日本・東洋の陶磁や漆器、青銅器などの美術工芸品をお楽しみください。

みどころ

  • 出光美術館の陶磁器コレクションの粋を紹介!
    出光美術館のコレクションの核は陶磁器であり、世界的にも良質な東洋陶磁を所蔵していることでよく知られています。「鑑賞陶器」といわれる当館で最も充実した分野の作品などを選りすぐり、地域・時代別に展観します
  • 一目でわかる、感じる、日本・東洋陶磁の世界観
    陶磁器は鑑賞者が様々な視点で見ることができる、という点が楽しみの一つです。本展では代表的な名品をとりあげ、豪華ダイジェストでご紹介!陶磁器の鑑賞は難しくないし、新しい発見があるかも!
  • 必見! 銅器、漆器の華やかで厳かな魅力
    特集コーナーでは陶磁器以外の工芸作品も紹介します。中には清時代に紫禁城内で飾られていたと考えられる作品も。普段、展示される機会が少ない作品を、この機にぜひご覧ください
  • 特集「茶道具の精粋」では書画の名品も目白押し!
    牧谿「平沙落雁図」、玉澗「山市晴嵐図」、無準師範の額字「選佛場」など重要文化財を中心に紹介します。茶の湯好きにはたまらない名品の数々もお見逃しなく

主な出品作品

中国陶磁

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    青花龍文壺

    景徳鎮官窯

    中国 明「宣徳年製」銘

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    青花臙脂龍文瓶 一対

    景徳鎮官窯

    中国 清「大清乾隆年製」銘

朝鮮陶磁

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    青磁陰刻牡丹唐草文瓢形水注・承盤

    朝鮮 高麗時代

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    粉青沙器象嵌牡丹文四耳壺

    朝鮮 朝鮮王朝時代

日本陶磁

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    色絵芥子文茶壺

    野々村仁清

    日本 江戸時代前期

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    色絵花鳥文八角共蓋壺

    柿右衛門

    日本 江戸時代前期

茶道具

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    赤楽兎文香合

    本阿弥光悦

    日本 江戸時代初期

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    山市晴嵐図

    玉澗

    中国 南宋時代末期~元時代初期

    【8月6日(火)〜25日(日)展示】

工芸・青銅器

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    螺鈿楼閣人物図稜花食籠

    中国 元時代

    【8月6日(火)〜25日(日)展示】

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    鴟鶚卣

    中国 商(殷)時代後期

各章の解説

  • 第1章 ザ・ダイジェストー日本・東洋陶磁

    日本、そして中国・朝鮮半島で生み出された東洋陶磁は、各国・地域の自然環境、文化・伝統をもとに独自の個性をみせています。本章では、中国陶磁に関しては「シルクロード」「皇帝のうつわ」、朝鮮陶磁と日本陶磁は「交流」「中国陶磁の影響」と「中国陶磁からの脱却」、そして「独自性の形成」にスポットを当てます。日本・東洋陶磁の相互の影響と独自性を表す陶磁器それぞれの特徴を、当館を代表する豪華ダイジェスト版としてご紹介します。

  • 第2章 中国陶磁

    中国では青磁、白磁など、技術革新をもとに、いち早く堅牢かつ美しい単色の陶磁器を生み出しました。一方で、古くは華やかな唐三彩、元時代には白磁のボディーにコバルトを用いて、落ち着いた雰囲気ながらも豊かにデザインされた青花(せいか)が創出されます。そして明・清時代には赤、黄、緑、ピンクなど色彩豊かになり、また植物や動物、人物に加え吉祥の思いが込められた文様や造形の陶磁器が数多くみられるようになります。中でも皇帝・宮廷用の官窯のうつわには当時の技術の粋が凝縮されており、それらは現代においても多くの人を魅了し続けています。

  • 第3章 朝鮮陶磁

    朝鮮半島のやきものを代表する高麗時代の青磁と、朝鮮王朝時代の白磁と青花。いずれも当初は中国陶磁の影響を受けて生産が始まります。高麗青磁は釉色が美しく、同時代の高麗の人々は、あの青色を翡色(ひしょく)と称しています。中国・宋代の人々も、「天下第一」と高麗青磁を高く評価していますが、それに加えて高麗では象嵌(ぞうがん)による新しい意匠表現が流行しました。また朝鮮王朝時代には、たおやかで穏やかなフォルムが特徴的な白磁や、文様の構図・空間の使い方が独特な青花などが誕生しています。本章では、朝鮮半島で展開したユニークな陶磁器の世界をご紹介します。

  • 特集1 金工・銅器、漆器の精粋

    東アジアの工芸作品の歴史は古く、銅や漆を素材とする作品はその代表的なものです。青銅器は中国美術の精華としても高く評価されていますが、とくに儀礼用の容器として発達しました。古くは商(殷)・周時代に流行し、それらは後の時代になっても重要視され、清時代においても商(殷)・周青銅器は珍重されます。また漆を用いた器物も古くから生産されてきましたが、貝殻や金などの異なる素材と組み合わせて、華やかさと格式高い雰囲気を放っています。本特集では、出光コレクションの中でも選りすぐりの金工や銅、漆による作品をご紹介します。

  • 特集2 茶道具の精粋

    鎌倉時代に禅宗とともに中国より請来された喫茶の風習は、室町時代・桃山時代・江戸時代と時が流れてゆく中で、侘び・寂びなどの日本人の美意識を反映しながら「茶」の文化を形成してゆきます。そして、茶の湯が発展すると同時に数々の美術品が賞玩され、用いられてきました。ここでは、茶入や茶碗などの茶陶のみならず、掛物や釜など、出光コレクションにおける茶の湯の名品を厳選してご紹介します。茶の湯にまつわる美術もお楽しみください。

  • 第4章 日本陶磁

    日本陶磁は中国陶磁同様に長い歴史を有しています。弥生土器や須恵器などには朝鮮陶磁、平安時代以降の施釉陶器などには中国陶磁の影響が見えながらも、独自のやきものの生産が行われてきました。また茶の湯や懐石におけるうつわの文様や造形は、中国や朝鮮半島のそれとはかなり異なる独創性をもち、かつ生産地の違いによる多様性も生み出されました。17世紀前半、肥前地域で磁器の生産が始まると、外国へも輸出されるようになり、国外の市場を意識した陶磁器生産も行われるようになりました。さらに京の都では野々村仁清(ののむらにんせい 生没年不詳)や尾形乾山(おがたけんざん 1663~1743)など、王朝文化をとり入れた風雅で文学性に富んだ意匠のやきものが好評を得ました。

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