物、ものを呼ぶ

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※この展覧会は終了しました
  • 2024.9.7
  • 10.20

物、ものを呼ぶ―伴大納言絵巻から若冲へ

出光佐三がはじめて仙厓の作品を入手してからおよそ120年。
美術館の設立を経て現在にいたるまで、所蔵作品の再評価や新たな作品蒐集が重ねられた結果、
出光美術館の書跡と絵画のコレクションは、それぞれの歴史を通覧できるほどに充実したものになりました。
本展では、当館の調査・研究活動と蒐集活動の歩みを振り返りながら、
やまと絵、仏画、水墨画、文人画、風俗画、琳派、さらに書跡の分野から作品を厳選して展示します。

みどころ

  • 当館の国宝2件がそろい踏み!
    古筆手鑑の代表作「見努世友」と、巧みなストーリー展開と卓抜した群像表現が際立つ傑作「伴大納言絵巻」。当館で「伴大納言絵巻」が展示されるのは2016年以来。今回は三巻のうち、上巻をたっぷりとご覧いただきます。ふたつの国宝が一緒にならぶのは実に18年ぶりのことです。この機会をお見逃しなく!
  • 書跡・絵画コレクションの重要文化財が一堂に!
    展示作品のうち、実に8割近くが指定品という豪華なライン・アップで、来館者の皆様をお迎えします。やまと絵、風俗画、仏画、文人画、さらには古筆まで、当館の書画コレクションの粋を心ゆくまでご堪能ください。
  • つながる、コレクションのバトン
    当館の創設者・出光佐三にとって最後の蒐集品となった、仙厓筆「双鶴画賛」。本展はこの作品から説き起こし、開館以降コレクションに加わった作品の数々を中心に、当館の書画作品の蒐集活動の歩みを振り返ります。
  • 展覧会のここから、さきへ
    開館以来、充実が図られた作品蒐集は、当館の調査・研究活動と展覧会活動の幅を広げてきました。本展では、将来的な展覧会となりうる視点を、ちょっとだけ紹介します。当館の展覧会の「ここから、さき」をご期待ください。

主な出品作品

やまと絵

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    伴大納言絵巻(上巻部分)

    日本 平安時代

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    四季花木図屏風

    日本 室町時代

    【9月7日(土)~29日(日)展示】

琳派

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    西行物語絵巻 (第四巻部分)

    画/俵屋宗達 詞書/鳥丸光広

    日本 江戸時代 寛永7年(1630)

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    風神雷神図屏風

    酒井抱一

    日本 江戸時代

文人画

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    雙峯挿雲図

    浦上玉堂

    日本 江戸時代

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    梅花書屋図

    田能村竹田

    日本 天保3年(1832)

書跡

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    古筆手鑑「見努世友」

    日本 奈良~室町時代

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    中務集

    伝 西行

    日本 平安時代

各章の解説

  • 1章 江戸絵画の華

    〈江戸琳派〉を牽引した酒井抱一(1761-1828)や、18世紀の京都画壇を代表する画家・伊藤若冲(1716-1800)。彼らの作品の多くは、当館が開館した昭和41年(1966)以降に蒐集されたものです。当館の創設者・出光佐三(1885-1981)が若き日に、江戸時代の禅僧・仙厓(1750-1837)の絵画を手にしたことから始まったコレクションは、現在までに多様さを増し、それによって展示活動の幅も大きく広がりました。この章では、抱一による2組の十二ヵ月花鳥図をくらべ、さらに〈江戸琳派〉と若冲の絵画をあわせて展示することで、当館の展覧会の「ここから、さき」を展望します。

  • 2章 きらめく自然

    あふれ出る詩情を豊かな四季の変化にことよせ、あるいは、まだ見ぬ異国の風景に憧憬の念を託す―。自然の風景をテーマにした絵画は、日本美術の歴史のなかで繰り返し生み出されてきました。この章では、当館のコレクションのうち、やまと絵と文人画の分野から作品を精選します。室町時代のやまと絵屏風では、金や銀で装飾された絵画世界にたおやかな自然の姿が展開され、また、江戸時代の文人画家たちは、心に思い浮かべた情景を実際の風景と重ね合わせながら、その理想的な世界を自由闊達な水墨技法であらわしました。

  • 3章 調和の美

    日本美術における書と絵画は、常に親密な関係にあります。紙上にあらわされた筆跡は、文字として何かしらの意味を伝える記号としてのみならず、それ自体が美しい造形として鑑賞されてきました。この章では、当館のコレクションから選りすぐった古筆の数々をご覧いただくとともに、絵画と協働しながら豊かな物語世界を紡ぎ出した絵巻作品、経典とともに仏の教えを描いた絵画など、書と絵画の調和の美をご覧いただきます。

  • 4章 都市の華やぎ

    風俗画は、当館の絵画コレクションを特徴づける分野のひとつです。それらの画面は、都市生活を謳歌する人々の実感豊かな姿で満たされています。この章では江戸と京都で展開される、人々の営みをテーマとした絵画を紹介します。そのひとつ、「江戸名所図屏風」には、労働や遊びにいそしむ人物の様子が活写され、いまもその面影に触れることのできる社寺や自然景観ともども、現代の東京に暮らす私たちにとって身近な共感を呼び起こします。

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