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唐三彩 ―シルクロードの至宝

開催期間 2019年6月22日(土)~8月25日(日)
月曜休館(ただし、7月15日、8月12日は開館)

展示概要

20世紀初頭の中国で鉄道敷設工事中に偶然発見され、その存在が知られるようになった唐三彩。その名の通り、唐時代(618 - 907)に緑釉・褐釉・白釉(透明釉)という三色、あるいは、コバルトを用いた藍釉を加えた多彩な鉛釉をかけ分けた装飾が特徴です。華麗な色釉に彩られた多色釉陶器である三彩は、またたく間に世界のコレクターを魅了し、今では中国陶磁を代表する存在となっています。
この時代はシルクロードを通した東西交流が盛んな時代でもありました。砂漠の貿易商人である胡人(ソグド人)や長距離交易の際の乗り物であったラクダといった異国情緒たっぷりな人物や動物の像、さらには西方伝来のうつわ類を再現した唐三彩は、国際色溢れる当時の雰囲気を私たちに教えてくれます。
また、王侯貴族の葬礼を彩り、来世での使用のために墳墓内に埋納された唐三彩は、当時の陶芸技術の粋をあつめた芸術品でもあり、まさに至宝と呼ぶにふさわしい作品なのです。
本展では、平成21(2009)年開催の「中国の陶俑(とうよう)」展以来10年ぶりに、出光コレクションの唐三彩を厳選し、一堂に展観します。
さらに、中国の周辺、北部草原地帯に王朝を建設した契丹(きったん)族の遼(りょう)と西方のペルシア地方に誕生した独特の三彩(遼三彩とペルシア三彩)、および、唐の滅亡後におこった歴代の王朝(金~清時代)において、制作の伝統が守られながらも、新たに発展してきた多種多様な三彩スタイルの陶磁器もあわせてご紹介します。 陶磁器装飾の一つのスタイルとして、アジア各地で花開いた三彩の美の世界をご堪能ください。

唐三彩 ―シルクロードの至宝

本展のみどころ

01出光コレクションを代表する唐三彩が一堂に!

今や中国陶磁を代表する存在であり、世界のコレクターから愛好されている唐三彩。当館では、墓に埋納する器物である明器(めいき)を特集した2009年の「中国の陶俑」展以来、10年ぶりに唐三彩の名品を一堂に展観します!

02"国際色豊か" と形容される唐三彩の秘密とは?

シルクロードを通した東西交流が盛んであった中国・唐時代。唐三彩は当時の様子を今日に伝えてくれる貴重な芸術作品でもあります。本展では、西方伝来の器形を陶器で写した副葬品という視点から、唐三彩のエキゾチックな魅力を捉え直します。

03遼三彩とペルシア三彩
─唐三彩の影響? それとも?

これまで唐三彩に直接影響を受けたと考えられていた遼三彩とペルシア三彩。しかし近年では、流行時期のズレや装飾技法の違いなどから唐三彩からヒントを得て生み出された類似の陶器であると考えられるようになってきました。一体どれくらい似ているのか? 似ていないのか? 実際に見比べてみてください。

04三彩スタイルは永遠に…


多色の鉛釉を表面にかけて完成させる三彩スタイルの装飾方法は、唐時代の三彩がその制作を終えても後世の陶磁器へと連綿と制作され続け、その技法は日本にも伝わってきています。今展では、それら後世の作例にも焦点をあて、三彩スタイルの伝統をふり返ります。

展覧会の構成

プロローグ
三彩への道
第1章
唐三彩 ―シルクロードの至宝
第2章
伝統と革新の融合 ―唐三彩の諸相
第3章
遼三彩とペルシア三彩
エピローグ
三彩スタイルの系譜

各章の解説

プロローグ 三彩への道

中国で施釉陶器を墳墓の副葬品として埋納する風習が広まったのは漢時代(206 B.C.-A.D.220)でした。侍僕、家畜、調度品から建物まで、日常生活に欠かすことの出来ない人物や動物、器物や建造物類が緑や褐色といった色釉をかけた陶器に写しとられ、有力者の墓に納められました。その目的はただ一つ、あの世でも生前と変わらぬ、楽しく充実した生活が継続することを願ったからです。一方で南北朝(439 - 589)〜隋(589 - 618)時代には、うつわに白化粧土をかけて表面を白く仕上げる工夫や、釉薬や陶土の厳選と精製が進み、白い素地を活かした陶器制作から、さらに一歩進んで白磁の誕生という作陶技法上の飛躍的な進展が見られ、色釉を際立たせる素地の完成という、後の三彩成立への道筋をつけることとなりました。

第1章 唐三彩 ―シルクロードの至宝

白色の器体に緑釉・褐釉・白釉(透明釉)がかけ分けられた華麗な装飾が魅力的な唐三彩。有力貴族たちの墳墓へ埋葬するために制作された陶器 ─明器というミステリアスな存在でありながら、色鮮やかで華麗な美しさが中国・唐(618 - 907)王朝の華やかな文化に対する私たちのあこがれをかき立ててやみません。一方、エキゾチックなモチーフがふんだんに盛り込まれた唐三彩は、東西交易と文化交流の舞台となったシルクロードのロマンを感じさせる作品でもあります。当時の中国人や外国から来た胡人(ソグド人)、馬やラクダといった動物、さらに、万年壺や様々な皿・盤、薫炉など唐三彩を代表する俑(人形)や器物類など、華やかな唐文化が生み出した造形の美をご堪能ください。

三彩女子三彩女子
中国 唐時代 出光美術館
三彩騎駝人物三彩騎駝人物
中国 唐時代 出光美術館
三彩貼花文壺三彩貼花文壺(万年壺)
中国 唐時代 出光美術館

第2章 伝統と革新の融合 ―唐三彩の諸相

華麗な色釉に彩られた唐三彩は、高度に発達した中国の作陶技術に、シルクロードを通して西方からもたらされた品々のエキゾチックで斬新な器形や文様と中国古来より伝わる造形や意匠、つまり、国際性と固有の伝統が見事に融合することによって誕生したやきものです。また、土という素材の持つ可塑性を最大限に生かすとともに、限界にも挑戦した制作技法(型物成形)や装飾方法(貼花技法)といった作陶・加飾面での特色や、西方原産のコバルト原料が生み出す藍色(藍釉)への嗜好など、唐三彩の多様な個性と際立つ美しさを生み出している様々な特徴について、先行する時代や同時代の作品との比較を交えてふり返ってみたいと思います。

三彩貼花騎馬人物文水注三彩貼花騎馬人物文水注
中国 唐時代 出光美術館

第3章  遼三彩とペルシア三彩

唐王朝の衰退と時をほぼ同じくして、中国の周辺地域で三彩風の陶器が流行しました。中国北方を支配下におさめた契丹族の国・遼(916 - 1125)では、唐三彩に似てはいるものの、遊牧民族の素朴さが加味された独自の遼三彩が盛んに制作されました。一方、西方のイスラム世界でも、後にペルシア三彩と呼ばれることになる三彩風の陶器制作が開始されました。唐三彩との影響関係は明確ではありませんが、中国周辺地域での三彩風陶器の相次ぐ出現の事実は興味深いことです。大地を駆け巡った草原の民の持つおおらかさを感じさせる遼三彩、流しがけによる自在な色釉の混ざり合いの美を展開するペルシア三彩という、二つの三彩の世界をお楽しみください。

三彩印花牡丹文稜花長盤三彩印花牡丹文稜花長盤
中国 遼時代 出光美術館

エピローグ 三彩スタイルの系譜

緑・褐・白色のほかに、時には藍色をも加えて華やかな陶器世界を現出していた唐三彩の歴史は1世紀ほどのわずかな期間だけのものでした。しかし、鉛を媒溶料に用いて多色の釉薬でうつわの表面を飾る陶器装飾の伝統は、その後も引き続いて中国陶磁史に重要な足跡を残しています。このコーナーでは、遼三彩・ペルシア三彩と同時、あるいはそれ以降に展開した三彩風陶磁器の歴史を、金時代(1115 - 1234)の三彩、色合いがやや変化を見せる明時代(1368 - 1644)の法花や交趾(こうち)焼、磁器へと材質が変化する清時代(1644 - 1912)の素三彩(三彩磁)、あるいは中国の三彩技法の影響を受けて成立した日本・江戸時代の源内焼や長与焼(長与三彩)などの作品でたどってみたいと思います。

三彩刻花蓮弁文百合口瓶三彩刻花蓮弁文百合口瓶
中国 金時代 出光美術館
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