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茶の湯のうつわ ―和漢の世界

開催期間 2017年4月15日(土)〜 6月4日(日)

展示概要

桃山時代、千利休(1522 - 91)により侘び茶が確立すると、それまでの中国から渡ってきた唐物を万能とする茶の湯の価値観は大きく変わることが知られています。その変化は、利休より遡る村田珠光(1423 - 1503)の時代から徐々に「備前物」や「信楽物」の使用に始まり、天正15年(1587)頃になると茶会記には唐物はほとんど見られなくなり、高麗茶碗と和物が主要な茶道具となっていきました。
江戸時代になると、楽茶碗のようにそれまでの侘び茶の世界を継承するうつわ作りが行われる一方で、野々村仁清(生没年不詳)の華麗な色絵や尾形乾山(1663 - 1743)のように大胆な図様、賛文や自身の銘を記すといった新しい感覚・視点によりうつわが作られ始めました。また京都や瀬戸・美濃以外の地域でも、唐津(佐賀)や萩(山口)、高取や上野(福岡)といった西国地域をはじめ、全国各地で茶の湯のうつわが作られ、地域を特徴付けるやきものが盛んに作られるようになりました。また国産のやきもの以外にも、中国産をはじめ、朝鮮半島産、東南アジア産、その中には日本側からの注文によるうつわもあります。さらに唐物として重宝され日本国内で伝世してきたうつわについても再評価され、茶の湯の世界で再び脚光をあびることになります。
江戸時代中期から後期にかけては、文人文化や中国趣味の隆盛を背景に煎茶の風習も広がり、そこにも趣向を凝らした新たな雰囲気のうつわが用いられるようになります。
このように江戸時代には茶の湯が幅広く展開し、武家のみならず、公家、豪商さらには町衆まで茶の湯の風習が広がっており、用いられるうつわも多様になったのです。
本展では江戸時代に流行した茶の湯のうつわを中心に、さらに当館が所蔵する出雲(島根)松平家の茶の湯に関する道具帳である『雲州蔵帳』とその世界観についても特集展示として取り上げ、茶の湯のうつわとその美意識をお楽しみいただきます。

青磁下蕪花生
中国 南宋時代 南宋官窯
鹿島家伝来 重要文化財 出光美術館
青磁下蕪花生
中国 南宋時代 南宋官窯
鹿島家伝来 重要文化財 出光美術館

本展のみどころ

01一楽、二萩、三唐津!

本展では「一楽、二萩、三唐津」に大注目。茶の湯の世界で上位3つに格付けられてきた和物茶碗をまとめてご覧いただけます。

02江戸時代に流行した
「和漢のうつわ」とは!?

色彩美や鋭い造形感覚のうつわ、謎ときのような造形や文様で場をわかせるうつわなど、江戸時代の茶の湯を賑わせた和漢のうつわがもつ魅力を、ぜひお楽しみください。

03大名家・豪商愛蔵の茶道具がズラリ!

徳川家、前田家、伊達家などに伝来した茶道具のほか、初代館長・出光佐三の出身地である九州の福岡藩黒田家伝来の高麗茶碗や高取焼、また館蔵品以外の名品も特別に出品します。

0413年ぶり、
秘蔵『雲州蔵帳』公開

出雲松江藩の七代藩主・松平不昧(1751 - 1818)が蒐集・所蔵していた茶道具の蔵帳『雲州蔵帳』を13年ぶりに公開。関連作品もあわせて展示しています。

展覧会の構成

第1章
一楽二萩三唐津
第2章
京焼 ─古典へのまなざし、そして前衛的うつわへ
第3章
愛でられる漢のうつわ ─唐物・高麗・安南
第4章
懐石、宴のうつわ
第5章
煎茶の世界
特集展示
雲州蔵帳とその美

各章の解説

第1章 一楽二萩三唐津

一楽二萩三唐津。この表現は侘び茶の茶碗を格付けした言葉として知られています。桃山時代後期頃から日本各地ではじまる茶陶作りは、江戸時代に入るとさらに活発化し、地域ごとに特徴的なうつわ作りが行われます。ここでは侘び茶の伝統を代表する楽焼、茶人たちを魅了してきた萩焼と唐津焼、江戸時代の武家の茶の湯の雰囲気〈綺麗寂び〉を強く感じさせる高取焼など、江戸時代の和物の茶陶の魅力をお楽しみください。

黒楽茶碗 銘 此花
道入(ノンコウ) 日本 江戸時代前期
水戸徳川家伝来 出光美術館
萩茶碗 銘 雪獅子
日本 江戸時代前期
紀州徳川家伝来
奥高麗茶碗
日本 桃山時代
水戸徳川家伝来 出光美術館

第2章 京焼 ─古典へのまなざし、そして前衛的うつわへ

日本各地でやきもの作りが行われる中で、京焼はひときわ雅やかな色合いや洗練されたデザイン性が特徴です。色絵を完成させた野々村仁清(ののむらにんせい 生没年不詳)のうつわは王朝文化を想起させるような古典へのまなざしに溢れ、尾形乾山(おがたけんざん 1663 - 1743)は国内外のやきものの魅力を吸収し、うつわに賛文や自身の銘を入れるなど、日本のやきものにそれまでなかった前衛的なものを生みだしました。

色絵扇面散文茶碗
野々村仁清 日本 江戸時代前期
出光美術館
色絵鳳凰文共蓋壺
野々村仁清 日本 江戸時代前期
丸亀藩京極家伝来 重要文化財 出光美術館

第3章 愛でられる漢のうつわ ─唐物・高麗・安南

江戸時代、幕藩体制が整う中で、茶の湯は格式を重んじる武家風の要素が強くなります。侘び茶の流行の中で、人気が衰退していた唐物は再び注目を浴びます。日本国内に伝世した古典的な唐物のみならず、古染付や呉州赤絵、高麗物や安南(ベトナム)物など茶人の嗜好にあわせたやきものが輸入され、和物と取り合わせながら茶の湯のうつわに新たなる美意識が創り出されたのです。

唐物大海茶入 銘 山桜
中国 南宋時代 福建系
松浦家伝来 出光美術館
呉州赤絵花卉文鉢
中国 明時代末期 漳州窯
出光美術館
青磁下蕪花生
中国 南宋時代 南宋官窯
鹿島家伝来 重要文化財 出光美術館

第4章 懐石、宴のうつわ

茶の湯では食事をしながらお酒も飲む懐石が桃山時代に確立します。そして江戸時代には江戸や大坂、京都などで酒宴をともなう料亭料理へと発展しています。茶の湯の懐石では使いやすさをはじめ、季節や趣向に応じて様々なうつわが用いられていますが、料亭料理の発達の中で、華麗・豪華な酒器や食器も嗜好されるようになっていきました。

色絵魚介文鮑形鉢
中国 明時代末期 景徳鎮窯 出光美術館

第5章 煎茶の世界

急須などに茶葉を入れ、湯を注ぎ茶の成分を抽出して飲む中国・明時代の飲茶方式の「煎茶」は、江戸時代中期頃には日本国内でも広まります。中国から輸入されたうつわが利用されたほか、国内でも煎茶器が作られるようになります。抹茶の世界で用いられていた茶道具類も、煎茶の中では別の機能を有するうつわとして転用されることもあり、ますます茶文化におけるうつわの多様性・多機能性が広がっていきました。

高麗写荒磯文急須
青木木米 日本 江戸時代後期 出光美術館
五彩十二ヵ月花卉文杯 12客のうち ※1-6月の場面
中国 清「大清康煕年製」銘 景徳鎮官窯 出光美術館

特集展示 雲州蔵帳とその美

江戸時代後期の数奇大名、出雲松江藩の七代藩主・松平不昧(1751 - 1818)により蒐集・所蔵された茶の湯の道具リスト『雲州蔵帳』と不昧が好んだ作品などをあわせてご紹介します。大名茶人の好みをちょっとのぞいてみましょう。

呉州染付草花文茶碗 銘 橘
中国 明時代末期 出雲松平家伝来 出光美術館
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