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やきもの入門 ─色彩・文様・造形をたのしむ

開催期間 2019年11月23日(土・祝)~2月2日(日)
月曜休館(ただし、1月13日は開館)
※12月23日(月)〜1月3日(金)は年末年始休館

展示概要

毎日使う食器、お気に入りのマグカップ、花をいける花瓶……、やきものは私たちの身の回りに溢れており、生活を豊かに彩ってくれます。とりわけ日本における「やきもの文化」は、他の国とは異なり、多様で独自の文化を成熟させたといえるでしょう。
さて、日本にやきものが誕生してから約1万6千年。その連綿と続くやきもの文化の歴史は、どのようにかたち作られたのでしょうか。やきもの作りの歴史を紐解いていくと、そこには技術や文化において憧れであった、中国や朝鮮半島で作られた輸入陶磁・唐物の存在があり、日本のやきものが広域な東アジア圏の一部であったことをうかがわせます。一方、作品鑑賞の歴史が独自に培われてきたことも重要です。茶道や華道、宴席のうつわにも、日本ならではの文化や慣習が組み入れられ、やきものの評価へと繋がっている歴史があります。卓越した技をもつ陶工たちと、それを受容する審美眼に優れた人々によって、日本のやきもの文化は育まれてきたのです。
本展では、日本人がやきものを使い始めた縄文時代から、陶芸家が個人の美意識を作品として表現するようになる近代に至るまで、やきものから見えてくる美の変遷を三つの視点からご紹介します。「色彩」「文様」「造形」のキーワードをヒントに、それぞれに花開いた日本のやきものの姿をお楽しみください。

やきもの入門 ─色彩・文様・造形をたのしむ

本展のみどころ

01やきもの大集合! 名品で見るやきもの史

縄文土器から現在まで、日本には約1万6千年にもおよぶやきものの歴史があります。土器から陶器、磁器へと至るこの長い歴史は、やきものの発展の歴史である一方、日本人がどのようなやきものを好み、また美しいと感じていたかを教えてくれます。各時代を豊かに彩ってきた様々なやきものたち。日本陶磁史を通覧することで見えてくる美の変遷を紐解きます。

02どうやって作るの!? ─伝統の技術「紐づくり」に注目!

中世の人々の生活を支えた大甕や大壺。大きいやきものを作るには、かたちが崩れないようにする熟練した技が必要です。実は、このような大きな壺、甕は「紐づくり成形」という縄文時代から続く原始的な成形方法で作られています。本展では作品と合わせて、パネルによる作陶技法の工程を詳しい解説でご紹介し、その技術と美しさの真髄に迫ります。

03キーワードで読み解く! 色・文様・かたち

「やきものの鑑賞は難しそう」「どこをどうやって見たらよいのか分からない」。そんな方は「色彩」「文様」「造形」の三つのキーワードを手掛かりに作品をご覧ください。「楽焼はどうして赤と黒?」「時代も地域もちがうのに同じ形?」などなど、その隠れた意味や目指してきた美しさ、国際的な影響関係などが読み解けます。

04重要文化財の2大名品を徹底比較!!

日本陶磁史における大壺の傑作「色絵鳳凰文共蓋壺」(重要文化財)と「色絵花鳥文八角共蓋壺」(重要文化財)の2点は、共に大名家や王侯貴族といった権力者・富裕層のために作られたと考えられています。ほぼ同じ時代に制作されたのですが、そこには産地の違い、ひいては陶器と磁器という素材による大きな違いがあります。その違いから分かりやすく解説し、2大名品を徹底比較します!!

展覧会の構成

第1章
朱と渦の世界 ―縄文土器から埴輪まで
第2章
輝きの色、中世のかたち ―古墳時代から室町時代
第3章
憧れの色・文様・かたち ―海を越えて来たやきもの
第4章
茶の湯のかたち ―鎌倉時代から桃山時代
第5章
みやびと洗練の文様 ―華やぎの江戸時代
第6章
近代の色・文様・かたち ―明治と個人作家の誕生

各章の解説

第1章 朱と渦の世界 ―縄文土器から埴輪まで

日本におけるやきもの作りは、約1万6千年前までさかのぼります。表面を縄目の文様で飾る縄文土器は、ユニークなかたちと、渦を巻く幾何学的な文様が特徴です。一方、それに続いて登場する弥生土器は機能性や簡素化した美しさを求めており、うつわに対する考え方が大きく異なります。また古墳の建造とともに盛んに制作された埴輪の中で、人物や動物といったかたちをした一群には、朱色の色彩が施されるなど、実に魅力的な造形と色彩の世界が展開しています。本章では日本陶磁のはじまりにあたる時期の多様な美の世界をご紹介します。

深鉢形土器(火炎土器)深鉢形土器(火炎土器)
日本 縄文時代中期 出光美術館

第2章 輝きの色、中世のかたち ─古墳時代から室町時代

5世紀に入ると朝鮮半島から新しいやきものの技術が伝来し、須恵器(すえき)が誕生します。以降、日本のやきものは、常に先進技術を学び、これを手本とすることで発展します。とりわけやきものをガラス状の膜で覆う釉薬(うわぐすり)の登場は、おおきな技術革新のひとつでした。その後、中世になると、壺・甕・擂鉢といった生活品の需要の高まりから、列島各地でたくさんの窯が活発に生産を始めます。新たなやきもの作りの伝来と、人々の生活を支えた中世のやきものを「色」と「造形」をキーワードにご紹介します。

灰釉瓶子灰釉瓶子
瀬戸窯 日本 鎌倉時代 出光美術館

第3章 憧れの色・文様・かたち ―海を越えて来たやきもの

日本で出土する海外産のやきものを見ると、その産地から実に壮大なスケールであった貿易や交流の姿を想像することができます。日本では、おそくとも8世紀後半には、東アジア圏域との交易が始まっていたと考えられており、唐三彩や、越州(えっしゅう)窯・長沙(ちょうさ)窯の青いやきもの、さらには中国北方地域の白いやきものが輸入されていたことが、考古学の発掘調査によって判明しています。いかに日本人が中国産のやきものを愛好していたか。憧れのやきものの数々をご紹介します。

青磁琮形瓶青磁琮形瓶
龍泉窯 中国 南宋時代 出光美術館

第4章 茶の湯のかたち ―鎌倉時代から桃山時代

平安時代末期から鎌倉時代初め頃にかけて、中国商人や禅宗の僧侶たちによって日本に抹茶の飲茶法・喫茶の風習が伝来します。はじめは中国で作られた建盞(天目)を喫茶の道具として使用していましたが、桃山時代に「侘び茶」が大成されるに従い、国産のやきものが茶の湯の世界にも登場します。整った造形性を重視する「唐物」(中国・朝鮮産のやきもの)と、緩やかな造形性と洒脱な文様をもつ「和物」(国産のやきもの)。本章では、茶の湯のやきものを中心に、唐物と、和物を代表する桃山陶器を比較してご紹介します。

赤楽茶碗赤楽茶碗 銘 僧正
長次郎 日本 桃山時代 出光美術館

第5章 みやびと洗練の文様─華やぎの江戸時代

江戸時代はやきもの文化が全国を席巻した、まさに華やぎの時代といえるでしょう。磁器という新しい材質のやきものが誕生したことにより、色、文様、かたちはそれまでとは一線を画する、雅やかで洗練されたものになります。古九谷や鍋島といった絢爛豪華なやきものが次々登場し、さらには柿右衛門、古伊万里(金襴手)に代表されるような海外輸出品へと発展します。日本のやきものは世界の舞台へと進出していくのです。本章では唐津から京焼まで、日本の美意識のもと生産された名品の数々をご紹介いたします。

色絵花鳥文八角共蓋壺色絵花鳥文八角共蓋壺
柿右衛門 日本 江戸時代前期 重要文化財 出光美術館
色絵鳳凰文共蓋壺色絵鳳凰文共蓋壺
野々村仁清 日本 江戸時代前期 重要文化財 出光美術館

第6章 近代の色・文様・かたち―明治と個人作家の誕生

社会が大きく変化した明治の時代に入ると、やきものは外貨獲得の産業として、あるいは個人がその芸術性を発揮するための芸術作品としての意味合いをもつようになります。作陶技術はさらに大きく発展しますが、しかし、それまで培ってきたやきもの文化は、芸術思想や古典学習というかたちで残り生き続けるのです。変化したところ、不変なところ、これまでの歴史を振り返りつつ、近代のやきものを見つめ直します。

白磁松竹梅文遊環付方瓶白磁松竹梅文遊環付方瓶 一対
出石焼 盈進社 日本 明治時代 出光美術館
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