列品解説ギャラリートークのココが楽しい!

土と炎のパワーをたぎらせ、ひとつとして同じものがない「六古窯」。その魅力を生みだすために、自然に挑戦する人間の姿を、学芸員のわかりやすい「列品解説」で描きだします。(約45分)

午前10時30分~ 4月11日(木)4月25日(木)5月9日(木)5月23日(木)5月30日(木)
午後6時~ 4月12日(金)4月26日(金)5月10日(金)5月24日(金)5月31日(金)

※事前の申し込みは不要です(入館料のみ)
※集合場所は展示室1の入口です

あなたも恋する!?「六古窯」

瀬戸、常滑、越前、信楽、丹波、備前。「六古窯(ろくこよう)」は中世から今日に至るまで、途切れることなくやきものが作られてきた産地です。2017年には文化庁により「日本遺産」に認定され、「きっと恋する六古窯 ─日本生まれ日本育ちのやきもの産地─」(「日本遺産 ポータルサイト」より)という物語が編まれました。その歴史と営みに触れれば触れるほど、もっと深く知りたくなる、そんな六古窯の魅力を、学芸員の解説でぜひご堪能ください。

歪みとうねりの陰に事件アリ!!

第1章では中世の六古窯へとご案内します。入口正面に見えるのは、当時を代表する釉薬をまとったやきものと、土の質感を残したやきもの。施釉(せゆう)陶器は瀬戸でしか作られない超高級品でした。一方、ちょっといびつな無釉(むゆう)陶器のDNAは、のちの桃山陶器へと受け継がれていきます。その隣の越前窯「双耳壺」を彩る形や釉薬の歪みとうねりは、制作中のあるアクシデントが原因。一体何が起きたのでしょう?

中国と日本の名品、その比較から見えてくるもの

六古窯の時代、日本には白磁や青磁など、中国のやきものも伝来していました。会場では中国のやきものと、中国を意識した六古窯の作を比較しながら、当時の価値観を探っていきます。「灰釉牡丹文広口壺(東京国立博物館蔵、重要文化財)」と「鉄釉蕨文広口壺(出光美術館蔵)」は、他にない特徴が散りばめられた作品。全体に広がる文様やうつわの形を記憶しつつ後半の作品を見ていただくと、新たな発見があるはずです。

「六古窯」を見分けるポイントは?

「六古窯を産地で見分けたい。何が特徴なの?」。こうした質問がよく寄せられますが、じつは至難の業。もしかすると中国陶磁を見分けるより難しいかもしれません。中世の六古窯は、お互いによく似たものを作っていますから、瀬戸と備前を除けば "ほぼ兄弟" とも言えるでしょう。そこで今回は、ちょっとマニアックな見分け方を伝授します。じっくりと表面を観察しながら、学芸員の解説をお楽しみください。

やきものに見る人々の〈こころ〉

800年、500年前のやきものが、口元のわずかな損傷だけで現代に伝えられている。そこには暮らしのなかでやきものを愛してきた人々の生活感や思想が刻まれています。たとえば、やきものに経典や火葬骨を入れて埋蔵する、日常のうつわを「佗び茶の美」として捉え直すといった行為もそのひとつ。やきものを通して人々の〈こころ〉に寄り添いながら、当時の文化観や観念性についてもご紹介します。

不完全性をも取り込む「和」のパワー

最終章のテーマは、後世の眼が見た六古窯の魅力です。江戸時代の野々村仁清や仁阿弥道八(にんあみどうはち)が手がけた "白い粒に赤い肌" の茶陶は、どの窯を再現したものでしょう? ぜひ当ててみてください。そして昭和時代、写真家・土門拳氏が愛蔵したのは丹波窯の大壺「猩々(しょうじょう)」(兵庫陶芸美術館(田中寛コレクション)蔵)。土門氏はこの壺の形・表情に惚れ、あだ名をつけて楽しんでいました。不完全性をも造形美に変える、「和」のやきもののパワーに圧倒される作品です。