列品解説ギャラリートークのココが楽しい!

唐三彩は地域や時代を超え、人々を魅了するアジア共通の "装飾モード"。その悠久の旅路を、学芸員のわかりやすい「列品解説」でご案内します。(約45分)

午前10時30分~ 6月27日(木)7月11日(木)7月25日(木)8月8日(木)8月15日(木)
午後6時~ 6月28日(金)7月12日(金)7月26日(金)8月9日(金)8月16日(金)

※事前の申し込みは不要です(入館料のみ)
※集合場所は展示室1の入口です

コレクターの先見の明と唐三彩

20世紀初頭の中国で、鉄道工事中に偶然掘り起こされた「唐三彩」。あまりにも美しい、誰も見たことのない極彩色の陶器は世界中を驚かせ、今や中国陶磁を代表する存在となりました。しかし発見当初、特に日本では、唐三彩を忌避する人が多かったのです。敬遠されていた唐三彩がコレクターの憧れの的になるまでを、当時の蒐集家の視点から語ります。

「充実した暮らし」を彩るものって?

唐三彩が流行したのは、唐王朝が繁栄した7世紀半ばから8世紀半ばにかけて。皇族や貴族が「あの世でも楽しく過ごせるように」と、この世のあらゆる美しいものを陶器で再現したのが唐三彩でした。細部までリアルな表現は、当時の生活や文化の情報の宝庫。ほっそり系からふっくら系へ、美人像に流行があったことまでわかります。1000年前の夢に思いを馳せてみませんか?

唐三彩が描くシルクロードのロマン

唐三彩の世界観は、シルクロードのロマンを強く感じさせます。逞しくも優美な西方の馬と、長い首を伸ばして歩くラクダたち。頬が高く大きな目の胡人(ソグド人)や、男装の麗人に紅顔の美少年、珍しい金属器やガラス器を再現したやきものがズラリと並ぶ、異国情緒あふれる展示風景はまさに圧巻!! 東西交流が生み出した造形の美をご堪能ください。

至極の美を支える「伝統と革新」

唐三彩の多様な個性と、際立つ美しさ。それは、中国古来より伝わる造形や意匠と、シルクロードを通して西方からもたらされた斬新なデザインが融合することで生まれました。今展では唐三彩の特色を、前後の時代の作品と比較しながら解き明かしていきます。時短かつオートマチックに大量生産するための工夫が、新たな美につながっている点もみどころです。

唐三彩をめぐる二つの謎!?

今展では唐三彩にまつわる二つの謎をご紹介しています。一つは奈良の大安寺遺跡から見つかった、大量のミニチュアの陶枕群。頭をのせるには小さすぎるのですが、一体何に使われたのでしょうか? そしてもう一つは、唐三彩が廃れた後に、北方の遼と西のペルシアで生まれた三彩をめぐるミステリーです。作風の違いと時間的な隔たりから、これらをつなぐ "未知の存在" が浮かび上がってきます。

江戸の異才が生んだ "ニュー三彩"

唐王朝の衰退に伴い、わずか1世紀ほどで姿を消した唐三彩の歴史。しかしその技法は少しずつ変化しながら、地域や時代を超えて受け継がれていきました。日本では奈良時代に「奈良三彩」が誕生していますが、江戸時代にも本格的な三彩スタイルのやきものが復活しています。指導にあたったとされるのは、天才発明家として知られる "あの人物"!! 果たしてその出来映えは?