併設展示

出光美術館では展覧会の会場となる展示室以外にも併設展示のコーナーがあります。
※常設展示はございません。

ルオー 展示室4

出光美術館のルオー作品は、初代館長出光佐三とルオーの油彩連作《受難》との出会いをきっかけとして蒐集が開始され、現在では質量ともに世界有数のコレクションとして知られています。 当館では、出光佐三の遺志をつぎ、常時5~7点の油彩を中心とした作品を紹介する展示室を設けています。 日本の美術愛好家がいつでもルオーの代表作と接する機会をもてるようにと願った出光佐三の想いは、今も出光美術館に受け継がれています。

ルオー 展示室4

ジョルジュ・ルオー

1871~1958年。フランスの画家。ステンドグラス職人として出発し、次いでエコール・デ・ボザールのギュスターヴ・モローのもとで学んだ。師の没後、濃く太い墨色の輪郭線と鮮やかな色彩が特徴的な独自の画風を確立した。初期には道化師、娼婦、裁判官などパリの名もない人々を荒々しい筆致で描いた人物画を残している。1914年、画商ヴォラールと契約後、戦争の悲惨さを克明に描き出した『ミセレーレ』などモノクローム版画の傑作を生み出すとともに、1935年にはキリスト最後の日々を描いた油彩連作《受難》を完成させる。以後、キリストをテーマにした宗教画や風景画など、次第に厚塗りになっていく独特のマティエールが印象的な油彩画を残した。

ジョルジュ・ルオー

現在の展示作品

展示期間 2024年4月23日〜2024年7月7日
たそがれ または 鐘楼 1939年
優しい女 1939年
道化師の顔 1902-09年
《受難》 5. “お前たちは世の苦しみを知っているか?” 1935年
《受難》 21. “彼は壁の間で光を放つ・・・” 1935年
《受難》 40. “優しい婦人たち・・・” 1935年
《受難》 52. “おお主よ、唯一の顔・・・” 1935年

陶片室 展示室5

陶片室では日本をはじめアジア各地の遺跡や窯跡から出土した世界各地の貴重な陶片資料を常時展示しています。やきものの新たな魅力やおもしろさを発見できる当館ならではの展示室です。

陶片室 展示室5

陶片室について

出光美術館の陶片室は、古陶磁を学ぶための特色ある展示室として、昭和41年(1966)の開館と同時に開設されました。
当館では、伝世する名品の展観とあわせて、古陶磁の魅力や歴史をより深く理解するために、そのうつわが焼かれた窯跡や使われた生活遺跡から出土した、いわゆる陶片を重要視してきました。
この展示室には、アジア諸地域の古窯跡あるいは重要な都市・港湾遺跡などから発見された古陶磁片を陳列しています。日本各地の古陶磁片(猿投窯・中世六古窯・美濃窯・古唐津・伊万里・鍋島など)はもとより、朝鮮半島・中国・ベトナム・タイ・イラン、さらにはエジプトの中世遺跡であるフスタートから出土した貴重な陶片などを多数ふくんでいます。

日本の陶磁史研究において陶片資料を使って大いなる業績を残したのが、出光美術館理事であり国際的にも著名な2人の学者、小山冨士夫先生(1900~1975)と三上次男先生(1907~1987)です。この2人の先達の学識こそが、当館の陶片コレクションには貫かれているのです。
とくに陶片室の開設に尽力されたのは、小山先生でした。小山先生の中国宋代の名窯、定窯々跡の発見は世界的に有名で、また国内では中世の古窯跡を調査し、「中世六古窯」の概念を確立させました。昭和初期以来続けられた古窯跡調査や陶片を利用した科学的な研究方法は、国内の研究者に広く影響を与え、現在の陶磁研究の方法論の基礎を成しています。
さらに、三上先生は、中国の古陶磁片を調査研究することで壮大な学説を提唱されました。出光中東調査団のエジプト・フスタート遺跡調査(1964年)に端を発する東西の貿易ルートの調査により、「陶磁の道(海のシルクロード)」という概念を確立させたのです。現在では「絹の道」とならび、「陶磁の道」は世界的な貿易ルートとして認識されるに至っています。

当館は、これからも小山・三上両先生の遺志を継いで、研究資料としての内容を充実させるとともに、多くの皆さまに陶片の鑑賞を楽しんでいただけるような展示を目指し、陶片室の充実に努めてまいります。興味をもって古陶磁を学んでいただく機会となれば幸いです。

  • 小山冨士夫先生小山冨士夫先生
  • 三上次男先生三上次男先生

当館は、これからも小山・三上両先生の遺志を継いで、研究資料としての内容を充実させるとともに、多くの皆さまに陶片の鑑賞を楽しんでいただけるような展示を目指し、陶片室の充実に努めてまいります。興味をもって古陶磁を学んでいただく機会となれば幸いです。

朝夕菴 茶室

谷口吉郎氏が設計した茶室「朝夕菴」では季節の取り合わせをご覧いただくことができます。本茶室は昭和50年(1975)、表千家家元即中斎宗匠を迎え「朝夕菴」披きの茶会を行いました。ロビーを望む館内の一角で、季節にあわせた茶道具の展示をお楽しみいただきます。

朝夕菴 茶室

現在の展示作品

展示期間 2024年4月23日~5月19日

「開館記念展」(1966) の取り合わせを、ふたたび

※昭和41年(1966)10月に開催された、開館記念展における茶神亭での展示をもとに一部再現を試みた取り合わせです


掛物 仙厓筆 寡欲則心自安
花入 朝鮮唐津 銘 猿 如心斎箱
香合 堆朱布袋図
硯箱 藤花蒔絵 植松包美作
真形 浄林作
風炉 古銅切合 浄林作
風炉先屏風 金銀砂子桐文 即中斎在判 吉兵衛作
水指 絵唐津草花文
茶入 一閑張黒棗 一閑作 宗旦在判 仕服 笹蔓金襴 覚々斎・如心斎箱
茶碗 古唐津
茶杓 即中斎共筒 銘三番叟
建水 砂張
蓋置 竹引切 即中斎在判 正玄作
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