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日本・トルコ外交関係樹立
100周年記念
トプカプ宮殿博物館・出光美術館所蔵 名宝の競演

展示概要

アジアとヨーロッパをつなぐ悠久の国際都市、トルコ・イスタンブルは15世紀中頃からオスマン帝国(1299-1922)の首都となりました。歴代のスルタン(帝王)は、この地に築かれたトプカプ宮殿に居住し、政務をつかさどります。その後16世紀に入り、オスマン帝国は中東、北アフリカ、中部ヨーロッパにまたがる最大領域を形成しました。トプカプ宮殿には貴金属をはじめ、東アジアからヨーロッパにおよぶ地域の珍しい宝物が集められ、彼らはそうした品々を使用したり、飾ったりしながら大切に継承しました。その所蔵品には当時の世界最高峰である中国・景徳鎮窯や龍泉窯などの極めて良質な陶磁器が含まれ、宮廷コレクションとしては質量ともに世界屈指と評されています。くわえて日本陶磁も数多く舶来、所蔵されています。
一方、出光美術館も中国・明時代を中心に皇帝・宮廷用に焼かれた官窯作品や江戸時代に海外へ輸出された陶磁器を有しており、中にはトプカプ宮殿博物館の作品の類品も知られています。
日本とトルコ共和国が外交関係を樹立して100周年を迎えた本年、両国の友好を記念し、トプカプ宮殿博物館に所蔵される至宝、また本展の趣旨にご賛同いただき出品協力をいただきましたトルコ・イスラーム美術博物館の名品、さらには出光美術館が誇る中国・日本陶磁やトルコ陶器の数々をご紹介いたします。

本展のみどころ

01長期休館前のラストを飾る、特別な展覧会をお見逃しなく!

出光美術館は、所在するビルの建替計画に伴い、本展の終了をもって休館します。今回が現在の展示空間で展覧会をご覧いただく最後の機会となります。
開館から58年の歴史を刻む当館の展覧会活動において、過去に何度もトルコとのつながりがありました。1985年には「トルコ文明展」、1990年には「日本・トルコ友好100年記念 トプカプ宮殿秘蔵 東洋陶磁の至宝展」を開催。本展もそのご縁から実現に至りました。

02日本・トルコ外交関係樹立100周年の記念展

本年は、日本とトルコ共和国が外交関係を樹立して100周年の記念の年です。駐日トルコ共和国大使館のご支援のもと、文化・芸術の分野を通して両国の友好関係をより一層深めることを目的に本展は企画されました。トプカプ宮殿博物館、また特別に出品協力をいただいたトルコ・イスラーム美術博物館からオスマン帝国時代の宝物や東洋陶磁コレクションが集結。出光美術館の所蔵品から選りすぐった中国・日本陶磁とともに、約100件の作品を展示します。トルコの文化や、古くから築かれてきた日本をはじめとする東洋とトルコとの交流の歴史を紹介します。

03トプカプ宮殿博物館と出光美術館の類似作品にフォーカス

出光美術館の中国・日本陶磁コレクションは、世界的にみても優品が所蔵されていることで知られています。これらの中には、トプカプ宮殿博物館の所蔵品と極めて共通する作品があります。今回は、本展ならではの試みとして、トプカプ宮殿博物館の名品と出光美術館の作品を同じ空間で展示し、その競演をお楽しみいただきます。

04日本初公開作品が43件!

本展では、トプカプ宮殿博物館から39件、トルコ・イスラーム美術博物館から7件、合計46件の作品が来日します。そのうちプカプ宮殿博物館の36件、トルコ・イスラーム美術博物館の7件すべてが日本初公開です。
スルタンのために特別に作られた、宝石がちりばめられた装飾品やうつわをはじめ、宮殿を華やかに彩った宝物、中国や日本から伝わった龍泉窯青磁や景徳鎮青花(染付)、古伊万里など、トプカプ宮殿の中でスルタンや宮廷の人々に重宝されてきた東洋陶磁を紹介します。

展覧会の構成

第1章
華やぐ宮殿の宝物
第2章
中国陶磁の名品 −東西交流の証Ⅰ
第3章
日本陶磁の名品 −東西交流の証Ⅱ
第4章
色彩鮮やかなトルコのタイル・陶器

各章の解説

第1章 華やぐ宮殿の宝物

スルタン(帝王)が居住し、政務をつかさどっていたトプカプ宮殿。宮殿には宝石・貴金属が集められ、その数や豪華さはオスマン帝国の繁栄の象徴ともいえます。本章ではスルタンをはじめ、宮殿の華麗なる日常を彩った宝飾品やうつわ、イスラーム文化により育まれた美しい装飾の魅力や技術の粋をご紹介します。

バラ水入れ
オスマン帝国時代 16世紀
トルコ・イスラーム美術博物館、イスタンブル 91
亜鉛製マグカップ
オスマン帝国時代 16世紀末期
トプカプ宮殿博物館、イスタンブル 2/2836
ソルグチュ
オスマン帝国時代 17世紀
トルコ・イスラーム美術博物館、イスタンブル 418
七宝製宝飾カップセット
オスマン帝国時代 19世紀 トプカプ宮殿博物館、イスタンブル 2/7624

第2章 中国陶磁の名品 −東西交流の証Ⅰ

9世紀以降、中国陶磁の輸出が本格化すると、その質の高さ、装飾の美しさに多くの人々が魅了され、トルコをはじめ西アジアでも流行します。その後、中国陶磁はイスラーム文化・美術の要素も取り入れながら新しい造形・意匠を創出してきました。まさに東西の相互交流の中で、新しい中国陶磁の歴史が生み出されたのです。

青磁瓶 中国 龍泉窯
元時代 14世紀 出光美術館
青花水注 中国 景徳鎮官窯
明 洪武時代 1368−98年 出光美術館
青花瓶(水差し) 中国 景徳鎮窯
元時代 14世紀中葉 トプカプ宮殿博物館、イスタンブル 15/1453

第3章 日本陶磁の名品 −東西交流の証Ⅱ

17世紀中頃になると、肥前(現在の佐賀県、長崎県の一部)の陶磁器は海外へ輸出され始めました。それらは日本独自の様式を生み出しながら、1757年までオランダ東インド会社を通してヨーロッパへ輸出され、王侯貴族のあいだで好まれます。特に古伊万里はトプカプ宮殿にも舶来していますが、室内装飾というよりも、「用の美」を備えたうつわとして、その役割を果たしていました。

色絵蓋付瓶 日本 有田 古伊万里
江戸時代中期 18世紀前半
トプカプ宮殿博物館、イスタンブル 15j/253
色絵大皿 日本 有田 古伊万里
江戸時代中期 18世紀
トプカプ宮殿博物館、イスタンブル 15j/42
色絵皿 日本 有田 柿右衛門
江戸時代前期 17世紀 出光美術館

第4章 色彩鮮やかなトルコのタイル・陶器

トルコの伝統美ともいえる色彩の鮮やかさ、そしてバラ、チューリップ、唐草などが愛らしく描かれた植物文様や神秘的な幾何学文様などが特徴的なトルコの陶器。また様々な色彩・文様で飾られたトルコのタイルは、トプカプ宮殿やモスクなどにおいても重要な建築の装飾として親しまれてきました。ここでは出光美術館が所蔵するトルコのタイルと陶器から、その魅力をご紹介します。

白釉多彩タイル
オスマン帝国時代 イズニク 16世紀後半
出光美術館
藍釉多彩取手付瓶
オスマン帝国時代 イズニク 16世紀後半
出光美術館
白釉多彩皿
オスマン帝国時代 イズニク 16世紀後半
出光美術館
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