松に鴉・柳に白鷺図屏風

松に鴉・柳に白鷺図屏風

松に鴉・柳に白鷺図屏風 (まつにからす・やなぎにしらさぎずびょうぶ)

長谷川等伯(1539 - 1610)
桃山時代 16世紀
六曲一双
紙本墨画
各151.8×369.4cm

右隻には、松の大木と鴉の家族が描かれています。巣の親鳥は雛鳥を羽下に覆い、大切に我が子を育てています。左隻には、柳の枯木と白鷺。力強い松と、なよやかな柳、黒い鴉と白い鷺、各々が好対照をなしています。黒い鳥を描く上で、通常は中国南部に生息する叭々鳥を中国画に倣って描くことが常識でしたが、等伯はあえて鴉を描いています。おそらく生き物がもつ普遍的な情愛を、誰もが日常に目にする卑近な鳥、しかも"美しい"イメージとは無縁の鴉で表現するという意外性も、本図のねらいのひとつであったようです。

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