出関老子

出関老子

出関老子 (しゅっかんろうし)

小杉放菴(1881 - 1964)
大正8年(1919)
油彩・カンヴァス
176.4×156.5cm

放菴が洋画家・未醒(みせい)として活躍していた頃、第6回院展出品作です。細川護立邸の暖炉の上の装飾画として注文されたといわれます。フレスコ画の名手・シャヴァンヌを意識した独特の薄い彩色は、当時、日本画風とも批評され注目されました。函谷関を越えようとする老子と牛飼い。黒牛、城門の朱色、真っ青な空という鮮やかな色彩は、大正5年(1916)に滞在した沖縄の印象から生まれています。強い陽光と異国情緒あふれた風俗は、放菴の色彩感覚をより豊かなものにしました。

pegetop
メニュー