美人鑑賞図 (びじんかんしょうず)
勝川春章(1743 - 1792)
江戸時代 18世紀
絹本着色
69.4×123.2cm
浮世絵師・勝川春章が世を去る前、2年ほどの間に描いた大幅は、大和郡山藩主・柳沢信鴻のために制作されたと考えられます。後景の庭園には、信鴻が隠居した駒込・六義園の特徴的なしつらえを加え、室内の釘隠しには柳沢家の花菱紋を添えます。11人の女性はいずれもがきわめて上質な絵の具で彩られ、着衣の模様の描写にも一切の抜かりはありません。大名家の特別な注文に応えるべく、最晩年の春章がそれまでに培った画技のすべてを注ぎ込んで仕上げられた傑作です。