重要文化財
山水図屏風 (さんすいずびょうぶ)
与謝蕪村(1716 - 1783)
江戸時代 宝暦13年(1763)
六曲一双
絖本墨画淡彩
各166.0×378.0cm
俳人として知られる蕪村は、当時は画人としても高い評価を得ていました。この屏風には、表面が白く輝く絖(ぬめ)と呼ばれる高価な絹が張られており、蕪村の40歳代後期の屏風講(高価な屏風の資金を用意するために弟子が作った講)時代の優品として知られています。右隻には春霞の中に山水が奥深く続き、左隻には紅葉の朱色が藍と溶けあって清々しい光景が広がります。飛び立つ鳥の群れや、舟を岸に寄せる漁師などには、日々の暮らしに対する俳人の優しいまなざしが感じられます。