破墨山水図 (はぼくさんすいず)
画/雪舟(1420 - 1506)
賛/景徐周麟(1440 - 1518)
室町時代 15 - 16世紀
紙本墨画
22.3×35.3cm
淡墨の太線を縦横に走らせた上に、滲みを加え、さらに濃墨の細線で樹木、水辺の舟、家屋を描いています。速く、力強い筆描のため、抽象的な風景表現となっていますが、墨面のいきいきとした表情が、ひとつの印象的な自然景を生み出しています。雪舟は、宋末元初の画僧・玉澗に学んだ本作品のような破墨山水図を多く制作しています。「破墨(はぼく)」とは墨の濃淡により、単純な墨面を破るように複雑化する技法です。