洛中洛外図屏風 (らくちゅうらくがいずびょうぶ)
江戸時代 17世紀
六曲一双
紙本着色
各151.0×355.0㎝
京都の市街地と郊外を一望する洛中洛外図は、室町時代に成立し、江戸時代を通じて量産されました。本作品は、右隻に内裏を中心とする左京の町並みと洛外東山の景を、左隻には巨大な二条城を中心とする右京の町並みと洛外西山・嵯峨野の景をおさめます。全体の構図は勝興寺や京都国立博物館にある洛中洛外図に通じていますが、大仏殿や北野社の形態に示される景観年代はこの2図を遡ります。金の使用を雲だけにとどめ、二条城前の行列や祇園祭を描かないことが、本作品に落ち着いた印象をもたらしています。