重要文化財
色絵芥子文茶壺 (いろえけしもんちゃつぼ)
野々村仁清 生没年不詳
江戸時代 17世紀
高43.4cm
まろやかな姿は、葉茶壺として珍重された中国製の呂宋(ルソン)壺を祖型としており、金、銀、赤などの色絵で、高く低く咲き乱れる芥子の花をあらわしています。肩には金彩による切箔形の散らし文を、裾には「仁清黒」と呼ばれる、蒔絵を連想させる艶やかな黒で雲形をあしらっています。芥子文は俵屋宗達周辺の画風や、狩野宗眼重信による芥子図屏風絵との類似がみられ、仁清茶壺を享受した人々が、同時代の絵画に親しむ文化の中にあったことが偲ばれます。