絵唐津柿文三耳壺

絵唐津柿文三耳壺

重要文化財

絵唐津柿文三耳壺
(えがらつかきもんさんじつぼ)

桃山時代 17世紀初期
高17.0cm

ふっくらと優美な姿や、丁寧な細工は、素朴な日常什器の多い古唐津壺の中にあっては珍しい造形です。小ぶりではありますが、肩の辺りの重厚な轆轤目(ろくろめ)や、生気を放つ樹木文など、濃密な存在感に溢れています。釉薬の色は朽葉(くちば)色といわれる、渋い中にわずかな赤みのさす色調を湛え、濃く発色した樹木の鉄絵に和らぎを与えています。肩につけられた3つの耳の付け根には、鋲を模した飾りがつけられています。手の込んだ装飾からは、特別な注文に応えた品と推測されます。

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