織部蓬莱山文蓋物 (おりべほうらいさんもんふたもの)
美濃窯
桃山時代 16世紀末期〜17世紀初期
22.2cm×20.0cm
木製の折櫃(おりひつ)をモデルに、型打ち成形で作られた蓋物です。蓋には織部特有の緑釉をかけわけ、中国の伝説で不老不死の地とされる蓬莱山を浮彫であらわすほか、鉄絵で描いた、波の上を駆ける兎などのモチーフが散りばめられています。蓋を開ければ、内面には藤の花が、風に揺らめく風情で描かれています。蓋のつまみは蔓のついた瓢箪を柔らかくねじった形をしており、蓬莱山と共に、おめでたい吉祥の意匠にみたされたうつわです。