重要文化財
青磁下蕪瓶 (せいじしもかぶらへい)
南宋官窯
中国 南宋時代 12〜13世紀
高 23.1cm
宋時代の官窯は、まず北宋の都汴京開封府(べんきょうかいほうふ)に置かれました。その後、宋の南遷にともない、杭州臨安府(こうしゅうりんあんふ)の皇城内の修内司(しゅうないじ)、次いで新窯が郊壇(こうだん)下に置かれました。本作品は、蕪状の胴部に竹節状の頸部がつき、高台の畳付に見える胎土は黒色で、厚く施された粉青色の青磁釉は、表面には全体に貫入(ひび割れ)が走っており、官窯独特の雰囲気を放っています。類似する陶片が修内司窯から出土しています。なお本作品は加島屋(広岡)家伝来で、近世以前から日本に将来された官窯器としても貴重な作品として位置づけられます。