「ふる池や」発句短冊

「ふる池や」発句短冊

「ふる池や」発句短冊
(「ふるいけや」 ほっくたんざく)

松尾芭蕉(1644 - 1694)
江戸時代 17世紀
彩箋墨書
35.6×6.1cm

貞享3年(1686)春、芭蕉庵で開かれた蛙を題とした句会での句です。同年閏3月に刊行された『蛙合』(仙化編)の巻頭にこの句が見えます。有名な芭蕉の句ですが、「古池の静寂の中、チャポンと蛙が飛び込む音がしたが、すぐにもとの静寂に戻った」というような内容の句です。和歌や連歌における「蛙」とは「河鹿蛙」のことで、その美しい鳴き声が詠まれてきましたが、ここでは鳴き声ではなく、水に飛び込む音に注目しているところが独創的な作品です。金泥の霞が引かれた布目紙の短冊に書かれており、その書風より貞享年間後期の筆と考えられています。
「ふる池やかはつ飛込水の音」

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