葆光彩磁草花文花瓶 (ほこうさいじそうかもんかびん)
板谷波山(1872 - 1963)
大正6年(1917)
高 26.8cm
板谷波山の独創的な技法である葆光彩(ほこうさい)は、艶消しの葆光釉によって、薄絹を透かしたような淡い光を放つのが特徴です。「葆光」とは光を包むという意味で、波山自身が命名しました。本作は、なめらかな姿の花瓶に草花文を彫り、その上から幻想的な色彩を重ねています。江戸時代後期の『更紗図譜』「白ケシ更紗」をもとにした優美な花は、花の向きが少しずつ変えられており、その揺れるような動きは、うつわの印象をやわらかなものにしています。