列品解説ギャラリートークのココが楽しい!

「雅俗」が混ざり合う18世紀の日本絵画には、絵を読み解く面白さが満載!! 既存の殻を打ち破る画家たちの挑戦を、学芸員のわかりやすい「列品解説」で、ぜひお楽しみください。(約45分)

午前10時30分~ 11月8日(木)11月15日(木)11月29日(木)12月6日(木)
午後6時~ 11月9日(金)11月16日(金)11月30日(金)12月7日(金)

※事前の申し込みは不要です(入館料のみ)
※集合場所は展示室1の入口です

闇夜の光を描くテクニック

国宝「夜色楼台図」(やしょくろうたいず)は、与謝蕪村(よさぶそん)が最晩年に描いたとされる傑作です。近年、題字が中国・明代の詩の一節であることが判明し、この絵をさらに深く味わうことが可能になりました。研ぎ澄まされた俳人の感性で、雪明かりの微光を見事に捉えた蕪村。列品解説では、闇のむこうに潜む雪雲の塊を想像させるために、蕪村がどんな技法を使ったのかを解き明かします。間近に国宝と向き合い、ぜひ蕪村の集大成を味わってください。
※11月3日〜18日の期間限定です。

スーラを先取りする点描に驚き

夜の闇を愛した蕪村に対し、戸外でのスケッチを好んだ池大雅(いけのたいが)は、あたたかな陽光を描くのが得意でした。重要文化財「十二ヵ月離合山水図屏風」は、約100年後のフランスの新印象派を先取りするかのような、カラフルな点描表現に驚かされる大作。会場では理論的なスーラの作風と比較しながら、みずみずしく喜びにあふれた大雅の点描の魅力に迫ります。じつはこの点描、大雅の愛妻家ぶりから生まれた可能性もあるのです。

きらびやかな琳派の別の顔

華麗な色彩と造形感覚が、都のみやびを感じさせる琳派の作品。今展ではちょっと趣向を変えて、琳派のなかでも "渋い" 名品を集めています。それは、琳派が持つ「文人画」的な要素に注目したいから。俵屋宗達(たわらやそうたつ)や尾形光琳(おがたこうりん)にみられる、おおらかで素朴な表現とアマチュアリズムには、文人画の神髄に通ずる世界があるようです。きらびやかな琳派の別の顔を、「文雅」という新たな視点から紐解きます。

禅画が「かわいい」意外な理由

琳派にみられる「要素」は、禅画にも共通するところがあります。今展で取り上げた白隠(はくいん)は、近年「かわいい」「ゆるキャラ」といった言葉で表現されることが増えてきました。民衆を教え導くための "親しみやすい"側面がクローズアップされがちですが、文人画と比較することで、また違う側面が見えてくるはず。38歳年上の白隠に心酔し、弟子入りした池大雅との交流にも注目しながら、文人画と禅宗絵画をつなぐ流れを辿ります。

見立絵で味わう「俗中の雅」

浮世絵というと「俗」の代表のように思われがちですが、必ずしもそうではありません。文化が成熟した18世紀には、それまで上流階級のものだった文芸が、庶民にも共有されるようになりました。身近な美人画に古典文学のネタを落とし込み、出典とあわせて味わう「見立絵」はその真骨頂。勝川春章(かつかわしゅんしょう)の「美人鑑賞図」に登場する、11人の美女の正体は? 雅俗が溶け合う「見立て」の機知の楽しみ方をご紹介します。

画家の個性が生み出す幻想空間へ

最終章で登場するのは、18世紀を引き継ぐ個性派の画家たちです。松平定信(まつだいらさだのぶ)に仕えた谷文晁(たにぶんちょう)の庭園図は、近世の庭園文化を象徴するもの。岸駒(がんく)、呉春(ごしゅん)が共作した「群仙図屏風」は、両者の動と静の対比が見どころです。今展が初お披露目となる「猿鹿図屏風」は、動物画の名手として名を馳せた森狙仙(もりそせん)の大作です。そのあたたかみのある精緻な描写にもご注目ください。