湧泉

湧泉

湧泉 (いずみ)

小杉放菴(1881 - 1964)
大正14年(1925)
油彩・カンヴァス
134.1×99.3cm

東京大学大講堂、通称安田講堂の舞台正面に描かれた壁画の一部の習作です。放菴は、パリのソルボンヌ大学の大講堂にあるシャヴァンヌの大壁画を念頭に、フレスコ画風の薄いタッチで、知恵が泉のように湧きだし、大きな成果となって実を結ぶまでの、大学にふさわしいテーマを寓意的に描き出しています。岩座にたたずむ乙女は当時流行した天平風俗で、柔らかな筆線や、柿色の朱、緑青を思わせる色遣いによって、日本画と油彩画の画法が高度に調和しています。

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